10年くらい前はなかったと思いますが、ここ数年、健康診断を受診すると問診票にインプラント体が入っていますか?と言う項目がある場合があります。
最初、何故この項目があるのかわかりませんでした。
インプラント体自体は、主にチタンで出来ていますので、MRIでは特に問題ないはずです。
インプラントの補綴物もインプラント以外の補綴物と比べて特に変わったものは使っていないはずです。
なのに何故、インプラントだけ問診票で聞いてくるのか?
インプラントの磁性アタッチメントの問題
答えは磁性アタッチメントです。要するに磁石です。
磁性アタッチメントは自分の歯に付ける場合もありますが、自分の歯の方が力に負けて長持ちしない場合が多いです。
インプラント体につけることもできます。10年以上前に当クリニックでも自分の歯の場合やインプラント体にも使ったことはあります。
自分の歯の場合は自分の歯が力に負けて抜けてしまいます。
インプラントの場合は力には対抗できるのですが、何かあってMRIを撮影するときに画像が乱れます。
一度、歯科もある中核病院より、磁性アタッチメントを一時的に外して欲しいと依頼がありました。
道具があればすぐに取り外しできますがなければできません。MRIを撮影する場合は緊急の時もありますので、それ以来磁性アタッチメントの使用をやめてほかのアタッチメントを使用しています。
くだんの健康診断の問診票の項目では、磁性アタッチメントとインプラントがごっちゃになったのかもしれません。
なかなか、磁性アタッチメントが口の中に入っていることを理解している患者さんは少ないと思われますので、撮影する側も確認する意味で問診票に入れているのだと思います。
私が知る範囲でMRIを撮影できないインプラント体はありません。
ちなみにCT撮影も、普通のレントゲンと同じですので、インプラントには一切関係ありません。
最後にインプラント体はMRIを撮影しても問題ありません。歯科関係では、磁性アタッチメントが問題になります。
磁性アタッチメントを作っているメーカーはそんなに影響ないと言っていますが、MRIを撮影する側が画像に多少の問題が出るので、問題にしているのだと思います。
気になる人は磁性アタッチメントの使用をやめて他のアタッチメントに変更すれば良いと思います。